2008年09月04日

友川かずき初期傑作集



太宰治寺山修司。そしてこの友川かずき。いつも不思議に思うのだが、東北人が作る作品には共通の暗さがある。

僕は自分の造語で、よく「心の基礎体温」という言葉を使うのだが、それが総じて低いような気がする。単なる「マイナス思考」「暗い」といった言葉で表現できない、得体の知れない悲しみとおどろおどろしさが作品の中に混じっている。

先日病院で、「あなたは『基底感情』が低い」と言われた。僕の言う「心の基礎体温」と同じようなものか。ニュートラルな状態でも感情の針がマイナスのほうにズレているということらしい。

ちなみに僕も緯度40度あたりで生まれているので、いうなれば「東北人」である。出生地の緯度と性格に関連性がある? だんだん疑似科学めいてきたのでこのへんでやめておこう。

友川かずきの話にもどるが、一度だけ彼のミニライブを見たことがある。

ミニシアターで『17歳の風景』というこれまたひどくマニアックな映画の舞台あいさつにひとりで出ていた。友川かずきがテーマ曲をてがけていた。

いつまでたっても抜けない東北訛りで、なぜこの映画の音楽を担当するハメになったのか、ボソボソと言い訳めいたことを話したあと、「酒を飲まないで歌うことはあんまりないんですけど」と、彼は椅子にすわってギターを持った。

歌い始めた瞬間、空気が変わった。空気が凍りついた。

鬼気迫る、という言葉は彼のためにあると思った。東北弁でまるで魂をしぼり出すように叫ぶ。明らかに殺意を感じる言葉が刃物みたいにビュンビュン飛んでで来る。

弦が切れそうなほどギターをかき鳴らす。すわっている椅子がガタガタと動き(ギターのリズムにあわせて、椅子がガタ、ガタ、と左に移動していくのだ)、椅子が壊れるんじゃないか、椅子ごとひっくりかえるんじゃないかと気が気でなかった。



※上記動画の曲は今回紹介したアルバムには含まれておりません。

この動画、ドラムとかピアノとかのバックバンドといっしょにやっているのだが、友川かずきがバックバンドの存在をまったく無視しているところがおもしろい。

ドラムを無視して自分のリズムで叫び歌い、ドラムのほうが友川かずきに合わせないといけない始末。

これぞ友川かずき。
posted by にあごのすけ at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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