2008年09月26日

童話の中の聖母マリア

子どもの頃に読んだマンガの中に『世界の不思議物語』とかなんとかというのがあり、こんな話が載っていた。

老いぼれたバイオリン弾き。冬空の下、街角に立ち、指先はふるえかじかみ、それでもバイオリンを奏でる。でも聞こえてくるのは「へたくそ!」という通行人の罵声のみ。

結局老人一銭も稼げず、人気のない教会でうずくまる。

「神様! どうして私はこんなつらいめにあわなければならないのですか」

そこへ祭壇パッと明かりがさし、光の中に現れたのは幼子イエスを抱いた聖母マリア、金でできた靴を脱いで老人にさしだすのだ。

どうして僕の前にマリア様は現れないのか?

僕は母にきいた。するとクリスチャンの母、酔ったような目をして、

「きれいな心を持った人の前には、きっと現れて救ってくださるのよ」

だから僕は祈った。自分の汚れた心を懺悔した。そして実は毎日どんなにつらいかを祈った。何度も何度もお祈りした。

聖母マリアはただの一度も現れなかった。

悲しかった。

そして正直、うらめしく思った。
posted by にあごのすけ at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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