2008年08月23日

神科薬物治療を語ろう―精神科医からみた官能的評価



以前に紹介した精神科のくすりを語ろう―患者からみた官能的評価ハンドブックの姉妹本。

前の本は、患者の立場から見たくすりの利き方を語っているのに対し、この本では数人の精神科医がくすりを語る。対話形式で「あーでもないこーでもない」と、治療経験から得た感想を語っている。

おそらくあまり科学的ではない。精神科医個人の主観的感想も含まれているように思う。しかし、向精神薬に対する医者の本音を読んでいるようで、おもしろくもあり、参考になる。

たとえば具体的に、ある薬に対してはこんなことが書かれていた。要約。

---------------------------

【ランドセン(抗てんかん薬だが、抗不安薬としても活用)】

普通の抗不安薬が効かない人にこれを処方すると効く場合がある。感受性がデリケートで、たとえば文章を書く仕事をしている人に効く場合がある。

【パキシル(抗うつ剤)】

なかなかやめられない人が多い。減らすことはできても、最後の一粒がやめられない。患者のものの考え方自体に問題がある場合が多い。考え方が変わるにつれ、パキシルを飲まずにすむようになった例がある。

【リーマス(抗躁剤・気分安定薬)】

リーマス(リチウム)は一種の毒であり、飲んだ患者はちょっと感性的に鈍くなったように見えることがある。芸術家にこれを飲ませると、その芸術性が損なわれる場合がある。たとえば画家がこれを飲むと、絵は書けるけれど自分でそれが満足できなくなる。その画家はリーマスをやめたとたん、再び自分の満足のゆく作品が書けるようになった。

---------------------------

上記3つの薬は、実は僕が現在飲んでいる薬である。

まず、ランドセンでいくと、僕の場合抗不安薬がなかなか効かなかったのは確かである。いくつかの薬を転々としたあと、ようやくこの薬に落ち着いた(現在は同じ成分のリボトリール)。

「文章を書く仕事」というのも、まあ僕は作家志望なので一応あたっている。

パキシルは僕自身、なかなかやめられない。当初1日50mg飲んでいたのを、数ヶ月かけて10mgにまで減らした。医者のすすめで、パキシルからトレドミンに切り替えようということになったのである。

しかしパキシル、10mgから減らすことがなかなかできない。15mgから10mgに減らすときもたいへんだった。たった5mgの差で、全身のしびれやふらつき、不安などの断薬症状が出てくるのである。

本にあるとおり、考え方を根本的に変えないといけないのかもしれない。これは「脳の病気」だと思おうとしても、やはりどこか「思考回路の病気」なのだろう。それは自分でもわかっている。でも僕は果たして変われるのだろうか。いまの思考を捨てられるのだろうか。

リーマスについては、他の本やサイトにも似たようなことが書いていた。

つまり感性が鈍るというのである。これは僕にとっては大ゴトである。

作家志望、音楽活動もやるし、本業はWEBデザイナー。芸術的センスがなくなると非常に困るのである。

例によって先生に相談した。

「先生、リーマスを飲むと才能が損なわれるって聞いたので、飲むのが不安です」
「だいじょうぶ、そんなことはありませんよ」
「本当ですか」
「躁状態の人は、自分に才能があると思い込んでいるだけです。リーマスを飲むと躁状態が改善されて思い込みが消えるわけです」


・・・・・・そう言われてしまうと元も子もない。もっとも、「思い込み」も重要な才能のひとつのようにも思うのだが。

とりあえず、現在のところ、自分の感性が鈍ったという自覚はないので、このまま飲み続けることにしよう。
posted by にあごのすけ at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。