2008年09月07日

変身



もう説明する必要もないほど、カフカの有名な小説。

青年・グレーゴル・ザムザが、ある朝目をさますと、巨大な甲虫に変身していた、という話。

仕事に行こうにも自分の部屋から出るに出られない。やがて家族が心配してやってくる、会社の人まで様子を見にやってくる。

やっとのことでドアを開ける。甲虫になったグレーゴルを見てみんな大騒ぎ、グレーゴルは部屋に軟禁状態にされ、食事を与えられるだけの日々を送る。

僕が興味があるのは、他の人がこの小説を読んだときにどんな感想を持つのだろう、ということだ。

この小説に対しては、僕は肉迫的な共感をおぼえるのである。

なぜなら僕は、家族の中で実際に常々こんな存在だったからだ。

少年時代は暴力的で家族からのけものにされ、中学高校に入ると僕はオカルトやら左翼思想に走って変人あつかいされ、大学時代は僕はひきこもりになり、まさに軟禁状態であった。

僕はまさに家族の中の毒虫だったわけである。

僕を見つめる家族らのまなざしも、まるで汚らわしい虫でも見るようなまなざしだった。

カフカもあるいは同じような経験をしたんだろうか。

物語の最後で甲虫であるグレーゴルは死に、家族らはほっとした表情で、過ぎたことは忘れよう、生活を取り戻そうと誓う。

あまりにもヒドイ終わり方である。

もっと別な解決策はなかったのか。

虫になったグレーゴルは、あるいは家族の側の潜在的な偏見が生み出した幻想だったようにも思えるのである。
posted by にあごのすけ at 03:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。